大学時代1

過去の記憶

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大学1年の1学期はそこそこ楽しかった。

髪の毛は茶色にしたし、車の免許合宿に行ったり、友達の家で鍋パーティーをしたり、サークルに入ったり、思い描いた大学生活は送れたと思う。

タバコも覚えた。

別にカッコつけたかったから吸った訳ではない。

友達と食堂でご飯を食べると、決まってその後はみんな喫煙所に行くのだ。

一人だけ残るのも寂しいので、結局自分も喫煙所についていく。

みんなが美味しそうにタバコをスパスパ吸ってるのをみると、

(タバコというのはそんなに美味いものなのか?)

と気になってしまう。

友達から1本もらい、慣れない手つきでライターをカチカチ鳴らしタバコに火をつける。

初めて吸った感想の味は『無』だった。

それもそのはず、吸った煙を肺に入れないで、そのまま鼻から出していたからだ。

何本か友達からタバコをもらって吸う事で、肺に入れることを覚えるのだが、やはり美味しさはわからなかった。

むしろこんなマズいもんを吸い続けてクセになるのか?という中毒症状に関する興味関心が強かった。

まあ、そんなことをやってるうちに案の定、美味しさが徐々にわかるようになっていくものだ。

僕も後にやめられなくなり、人間ドックで肺に影があると言われた31歳までタバコを吸うことになる。

喫煙所は不思議なもので、吸っている者同士の謎の一体感というか親密さが生まれる。

わざとライターを忘れたふりして先に吸ってる人にライター貸してくださいと言って話しかけにいく。

そんな喫煙所の交流も当時の僕はたまらなく好きだった。

しかしそんな刺激的な日も1学期で飽きてしまう。

たいてい初めてのことに対する憧れは実際に経験してみると、こんなものかと感じることって人生で結構多い気がする。

大学生になって出来た友達の一番の関心ごとは『恋愛』や『女遊び』だった。

僕もまだ女性とはお付き合いをした事がなかったので、それなりに関心はあった。

しかし僕はアルバイトをしても散々怒られ続ける日々を送っていたので、自分の人生をどう生きるかが最大の関心ごとで、恋愛にうつつを抜かしている余裕はなかった。

次第に友達とつるんでくだらない話をする事につまらなさを感じるようになってしまった。

そんな感情が友達に伝わってしまったんだろう。

一緒につるんでた4、5人の仲間からはあからさまなハブられ方をされるようになってしまった。

僕が来ると誰も目を合わせないし、空気のように扱われた。

僕が話しかけても、つれない態度で返ってきた。

(あー・・・仲間はずれにされる女子とかってこんな気持ちになるんだな)

大学生になり、はじめて理解した。

寂しいというより、大学になってもそんな事するんだという友達の精神年齢の低さに僕はビックリした。

それからの僕はずっと、学食にいる時も、授業を受ける時も、移動教室の時も一人だった。

思い返すと、いつも僕は集団生活を望んでないわけではないけど、一人で居ても全く苦にならないので、結局一人でいることが多かった。

一人で行動しながら、ポンコツに生まれた自分はこれからどのように生きるべきかずっと悩み考えていた。

>>続く

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